診断
どのくらい病気が進行しているか(病期)を確定するために検査を行います。基本は視診(目で見て病変の広がりを確認する)ですが,確定診断のために皮膚生検,進行度を見るために画像診断や血液検査を行う場合があります。また,より詳しく調べるために遺伝子検査や染色体検査なども行うことがあります。
視診
皮膚病変が身体の何パーセントを占めるのか正確に把握するため,医師が全身を確認します。また首,腋(わき),股(また)にあるリンパ節(表在リンパ節)が腫れていないかを触って確認することもあります。
皮膚生検
症状のある部位に局所麻酔を行い,皮膚をメスで切除し ,採取した皮膚を顕微鏡で観察します。腫瘍細胞がどのくらい皮膚に集まっているかを調べます。詳しく調べる場合は,少し大きめに皮膚を採る場合があります。
画像診断
CT,MRI,PET,ガリウムシンチグラフィーなどがあり,患者さんの状態に合わせて検査します。皮膚以外の臓器へ病気が広がっていないかを調べるために行います。
血液検査
乳酸脱水素酵素(LDH),可溶性インターロイキン-2受容体(sIL-2R)は,病気の勢いや進み具合を調べる検査です。抗ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV‐1)抗体は成人T細胞白血病・リンパ腫を除外するために検査します。
菌状息肉症の診断の際によく調べる血液検査項目一覧
検査項目 | メモ |
---|---|
LDH | 健康診断にも含まれる一般的な検査であり,菌状息肉症以外の病気でも高値を示すことがあります。菌状息肉症などの悪性リンパ腫の病勢も反映しますので,時間経過に伴う値の動きに注意します。 |
sIL-2R | 悪性リンパ腫以外に,自己免疫疾患や感染症などでも高値を示すことがあります。LDHと同様に,時間経過に伴う値の動きが重要です。 |
抗HTLV‐1抗体 | HTLV-1に対する抗体を調べて,成人T細胞白血病・リンパ腫と鑑別するための検査です。抗HTLV‐1抗体がある場合は,成人T細胞白血病・リンパ腫が疑われます。 |