治療
治療は患者さんの年齢,病気の広がり,合併症などを考えて行われますので,一人ひとり異なります。主治医とよく相談することが大切です。病期によってさまざまな治療法が推奨されており、塗り薬の外用ステロイド、紫外線療法、放射線療法、免疫療法、分子標的療法、ビタミンA誘導体、化学療法を組み合わせながら使用します。
ぬり薬(外用療法)
症状のある部位にステロイド外用薬が使用されます。ステロイド外用薬は5段階にランクされており,弱い(weak),中程度(medium),強力(strong),非常に強力(very strong),最も強力(strongest)があります。菌状息肉症に対してはstrong以上のランクがよく使われます。
紫外線療法
紫外線は腫瘍細胞を直接破壊する作用がある他,皮膚のいろいろな細胞に働いて免疫を調整する作用があります。治療に用いられる紫外線(Ultraviolet:UV)には長波長紫外線(UVA),中波長紫外線(UVB)などがあります。これらの紫外線は,病気の状態や程度によって使い分けられます。UVAを用いた治療にはPUVA(プーバ),UVBを用いた治療にはナローバンドUVBやエキシマライトなどがあります。
紫外線療法の種類と治療内容
紫外線療法名 | 治療内容 |
---|---|
PUVA | 紫外線の吸収を高めるために,メトキサレンという薬を内服した後に紫外線を照射する「内服PUVA」,症状のある部位にメトキサレンの外用薬を塗ってから照射する「外用PUVA」, メトキサレンを入れたお風呂へ入浴した後に照射する「バスPUVA」があります。 |
ナローバンドUVB | 狭い範囲の波長(311±2nm)の紫外線を照射する治療です。 |
エキシマライト | 部分的に強い紫外線(波長308nm)を照射する治療です。 |
★紫外線療法の注意点
医療機関で紫外線を当てているときは,強い日焼けやシミ,白内障などの副作用や発がんのリスクがありますので,必要以上に自分の判断で日光に当たらないようにしてください。
飲み薬,注射薬(全身薬物療法)
- 免疫療法:
- インターフェロンは全身的薬物療法として用いられ,日本ではインターフェロンγ(ガンマ)が使われています。
- 分子標的療法:
- ボリノスタット(ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬),モガムリズマブ(ヒト化抗CCR4モノクロナール抗体)などがあります。
- ビタミンA誘導体(レチノイド):
- 日本では保険適用になっているベキサロテンが使用されます。また保険適用外ではありますが、慣例的にエトレチナートが使われていることもあるようです。
- 化学療法:
- 抗がん剤を用いた治療です。複数の抗がん剤を組み合わせることもあります。
全身療法の種類の一覧
治療法 | 薬剤名(一般名) | 剤型 | 通院 or 入院 |
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免疫療法 | インターフェロンγ | 注射薬 | 通院 or 入院 |
分子標的療法 | ボリノスタット | 飲み薬 | 通院 |
モガムリズマブ | 注射薬 | 通院 or 入院 |
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ビタミンA誘導体 | ベキサロテン エトレチナート (保険適用外) |
飲み薬 | 通院 |
化学療法 | エトポシド | 飲み薬 | 通院 |
CHOP
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注射薬 飲み薬 |
通院 or 入院 |
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ゲムシタビン | 注射薬 | 通院 or 入院 |
その他
- 放射線療法:
- X線や電子線などの放射線を病気の部分に照射する治療です。
- 移植:
- 同種造血幹細胞移植(骨髄移植)が行われます。移植には,適切なドナーが必要となります。